いつでも、どこでも、簡単に官能評価ブースが作れます!
官能評価の5つの資源、ご存知ですか?

[1] パネリスト
・・・言うまでもなく、誰を使うか、その選抜は非常に重要です。偶然以上の確率で識別ができないパネリストを使うと、ベータリスク(本当は違いがあるにも関わらず、違いがないと誤った結論を導くリスク)が高まります。前回ご紹介したフレーバースタンダードが、選抜試験や、パネルの継続的なトレーニングのお役に立ちます。

[2] 手法
・・・目的に応じて、どのような試験を採用するか、評価手法によって得られる情報が大きく異なります。1つの手法であるQDAは、製品の官能的特徴を記述し、かつ定量的に数値化ができ、消費者嗜好データや機器分析データとの相関づけにも有用です。

[3] サポートサービス
・・・いわゆるデータ収集、または解析用のソフトウェアなどです。最近は、TIやTDSなどの経時的な評価手法のニーズの増加なども講じて、官能評価ソフトウェア FIZZのユーザー数が増加中です。

[4] 予算と承認
・・・どんなに担当者レベルで官能評価の必要性を感じられていても、社内における認知、理解、そして十分な予算がないと、試験ができません。日本では、残念ながらここが意外と高い壁であったりします。

[5]
そして、5つめは・・・今回のテーマである官能評価ブース、つまり「施設」です。必ずしも、分析型官能評価をブースで行う必要はなく、製品に応じてレストランや野外など、実際に使用する場面で行うこともできます。しかし、できるだけ統制をとった試験を行うためには、管理された空間も大切です。

国内では、スペースの問題、また高い工事費などが理由で、なかなか常設した官能評価ブースをたてることができません。そこで、The Lab in the Bagのポータブルブースであれば、使いたい時に、使いたいところに組み立てるだけで、すぐに官能評価が実施できます。テーブル上で簡単にパーティションを組むものから、孤立したブースまで、ブースの種類は豊富で、照明やシンクなどのオプションまでも用意されています。



5つめの資源、満たされていますか?


GMPフレーバースタンダード新発売!
先週のifia JAPAN(2017/5/24-26)で、GMPフレーバースタンダードを初めて展示しました。日本食品化学学会企業展示コーナーのなかの小さなブースでしたが、多くの方にお立ち寄り頂き、ありがとうございました。
flavour standards
GMPフレーバースタンダードは、フレーバーをすべて粉末にし、カプセルに充填することで、2年近く室温で保存することができます。使用方法も簡単で、カプセル内のフレーバーを約1Lのサンプル(実際の製品)に入れるだけです。

これで、だいたい認知閾値の3倍程度の濃度になるように調製されています。これまでラボで試薬を調製していた面倒な作業がなくなります。また、離れた複数の施設で同じ評価を簡単に実施することができます。GMPガイドラインを遵守した医薬品工場で製造されているため、品質は十分保証され、口にしても安全です。

こうしたフレーバースタンダードは、官能評価パネルの選抜、トレーニングに最適です。パネルの感度を評価する際、フレーバーの閾値はマトリックスによって異なるため、実際の製品を用いて行うことが基本です。また、一度選抜したパネルでも、その感度を継続的に訓練することも重要です。エビングハウスの忘却曲線でも、定期的な復習の効果が証明されています。

oblivioncurve2

官能評価の重要な資源の1つが、パネルです。
パネルの選抜、継続的な訓練に、GMPフレーバースタンダードをぜひご利用ください。
欧州での官能評価サービス開始
日本の消費材市場が飽和している昨今、海外の市場に目を向ける企業も多いのではないでしょうか?

弊社は、これまで海外における官能評価の研究者達とのネットワークを活かし、欧米、アジアでの官能評価、消費者調査を遂行してきました。

このたび、フランスのディジョンを拠点にした、官能評価・消費者試験のプロフェッショナルSensoStat 社と提携し、欧州における質の高い官能評価・消費者試験サービスを開始致しました。

これから欧州の消費者をターゲットに商品開発を進める過程において、現行品の製品ポジショニング、受容度調査などに、ぜひご利用ください。

▼官能評価・消費者試験サービス @ 欧州
http://www.alpha-mos.co.jp/sensory/sensostat.html

SensoStat
「おいしさ」は、まず見た目から
新年、あけましておめでとうございます。

2017年も食品業界では、新製品が続々と登場するのでしょうね。スーパーやコンビニには、たくさんの似たような種類の商品が陳列されている時代に、新しいものづくりへのチャンレンジを続ける開発担当者には、本当に頭が下がります。消費者の一人として、良い意味で期待を裏切られるような新しい感覚の食品に出会うのが楽しみです。

消費者の期待を満たす、あるいは超える商品こそが、ロングセラーに繋がる、延いては企業に利益をもたらすものでしょう。それには、価格やパッケージ、広告だけでなく、中身の品質が、消費者の購買動機を満足させるものでなければなりません。

人は、五感を駆使して味わうわけですが、一番最初に遠位性感覚である視覚が優位に働きます。つまり、食品の外観を見て、それを美味しそうとか、新鮮そうとか、判断が始まります。そして、口にしたときは、見た目が影響して、呈味成分量以上に苦く感じたり、甘く感じたり、味への相互作用も働きます。

色や形状などを官能評価するときは、環境(明るさなど)の制御が必要となります。また、分析的に色を測定するには、一般的に分光測色計が用いられますが、小さい範囲(直径で2〜10cm程度)を平均化してL*a*b*などの色指数で表現するので、なかなか不均一な食品の見た目と相関させることが難しいです。

一方、アルファ・モスのビジュアルアナライザー IRISは、一定光源のボックス内に置いたサンプルの画像を高分解能のCMOSセンサーで取得し、最先端の画像処理および多変量解析ソフトウェアを駆使して外観の差を数値化する仕組みです。

IRIS

最大測定面積が27cmx39cmなので、大きな食品サンプルであっても目視で観察するのと近い条件で評価することができ、全体な色のバランス(1ピクセルごとに色を数値化)、形状、大きさ情報を得ることができます。こうしたデータは、消費者の嗜好を予測する説明変数として用いることで、好みに影響する色(素材)、形状などを同定することができます。

あなたは、どちらのハムを食べたいですか?

IRIS ham
QDAデータの解析と解釈(最終章)
久しく更新が滞ってしまいましたが、2016年の最後でこれまで続けていたQDAプロセスに関する連載をまとめたいと思います。

前回は、パネルのパフォーマンスの評価について書きましたが、サンプル間の差の有効性を結論づける際、交互作用の効果を知ることが大切です。交互作用は、繰り返し試験をした二元配置分散分析によって誤差項から分離することができます。つまり、1回だけの試験では明らかにできません(繰り返しの試験が、QDAの本質です!)

交互作用には、相殺効果と相乗効果の2つのタイプ(下図)があり、パネリスト間の感度、または尺度の使い方に違いがあることを考えれば相乗効果に有意差が出ることはそれほど問題ではありません。もし相乗効果の交互作用があるときは、スコアを順位に変換して解析することもひとつの手段です。それに対して、相殺効果はサンプル間の順位の違いを反映するのでより解釈に注意が必要です。

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一般的なQDAデータの二元配置分散分析の一例を下表に示します。
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分散分析でサンプルの効果に有意差が見つかったとき、どのサンプルに差があるかを確認するために多重比較検定を行います。多重比較検定には、Duncan、Newman-Keuls、Scheffe、Tukey (a)、Tukey (b)、LSD、Dunnettなど多くの手法がありますが、主に第1種の過誤と第2種の過誤のどちらを重点的に保護するかを考慮し、選択することになります。前者ではTukeyが、後者ではDuncanがよく利用されています。

また、サンプル間の違いを視覚化するために利用されるのが、主成分分析です。属性間の相関を利用してQDAデータに含まれる多くの情報を抽出、集約する方法で、新しい2軸上にサンプルを分類し属性との関係をよりよく理解することができます。

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最後に・・・製品の官能的特徴を日常用語で記述し数値化した記述分析データは、消費者の嗜好、購買意欲、用途、イメージなどの市場調査データと関連付けて用いることで、製品の強み・弱みを明らかにし、マーケティング部門と開発部門との橋渡しに貢献します。もちろん、機器分析データの相関づけにも最適です。

さて、今年も一年間お世話になりありがとうございました。
来年は、これまで度々紹介してきました「官能評価と機器分析のデータの活用」から、少し触れていきたいと思っています。

では、2017年が皆様にとって実りのある年となりますように。。。

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