臭い!硫黄化合物の高感度分析

硫黄化合物の多くは、嗅覚閾値が低く、わずかな量で不快な臭いを呈するほか、それらが純ガスや反応ガスに混ざることでその品質に影響を与えることがあるため、食品や環境、また化学工業など多くの分野において管理対象となっています。

一般的には、ガスクロマトグラフ(GC)で分離したあと炎光光度検出器や、質量分析計を検出器として分析されますが、ヘリウムや水素などを要するうえ、定期的な校正が必要となるため、使用にあたって設置場所、オペレータのスキルが条件となります。さらに濃縮が必要であったりと、硫黄化合物の測定に、結構困っている方が多いのではないでしょうか?

Chromatotec(フランス)が開発したtrsMedorは、独自の技術による湿式検出器を用いて、各種硫黄化合物をppbレベルで検出します。しかも、前処理要らずで、分析時間もわずか10分程度。また、パーミエーションチューブを内蔵しているため、校正も自動化され、さらに窒素ジェネレータを接続することで、ボンベも使いません。

ラボだけでなく、現場でも簡単に使える硫黄選択的GC、様々な硫黄化合物の定量のための新しいツールが登場です!

においライブラリ

味には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味で表現される基本味があり、それらに由来する代表的な化合物の知見も多いですが、におい関しては、種類は多すぎて(40万種類とも言われています)、決まった言葉がありません。QDAにおける用語開発でも、においは形容詞で記述されることが多く、その解釈をつけるのに難しいことがよくあります。

清酒やビール、紅茶、コーヒーなど、特定の業界によっては、フレーバーホイールと呼ばれる用語リストが開発されていて、商品の風味(味や香り)の特徴を記述するときの基本として利用できます。これは、業界内の風味に関するコミュニケーションにおいて大変便利です。

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(出典元:http://www.aromaster.com/)

それでも汎用的なものは、なかなかありません。しかし、香気分析に関する学術論文を探っていくと、においに関する表現があちこちに目につきます。におい嗅ぎGGで分離された化合物に対するにおいの質も報告されています。ただ、問題はリソースがあちこちに点在していることです。

こうした文献情報を整理してデータベースにしたものが、アルファ・モスから発売されています。AroChemBaseは、保持指標に関する化合物ライブラリ(83500成分収録)であり、そのうち約2000成分のにおい質(芳香からオフフレーバーまで)や嗅覚閾値データが、10000 を超える豊富な文献から集められてひとつになっています。

収録されている情報量だけでなく、検索もいろいろな角度から行えます。感じたにおいの種類(甘い香り、カビ臭・・・)、推定される化合物(アルデヒド、硫黄系・・・)、またはサンプル名(コーヒー、レモン・・・)から・・・。まさに、においライブラリと言える機能を網羅しています。

arochembase_c

GC-O分析で、嗅ぎ分けた化合物のにおいをどのように表現したらよいのか困る時、GC-MSで同定された化合物が、いったいどのようなにおいなのか調べたい時、定量された成分濃度が、においを感じる量であるか確認したい時、AroChemBaseライブラリの使い道はたくさんありそうです。