QDA法(1)

Dr. Herbert Stone ― 官能評価を専門に勉強された方であれば、一度は聞いたことがある名前ではないでしょうか?
Dr. Herbert Stone
1974年に米国で市場調査会社TRAGON CORPORATIONを設立し、定量的記述分析法(QDA)を開発した人物です。150本以上の論文を発表し、IFT(Institute of Food Technologists)の会長も歴任しました。

今ではそれなりに歳を重ね、TRAGON社の代表職を去りましたが、それでも官能評価のコンサルタントとして、様々な国に存在するクライアント企業で、パネルトレーニングやQDA手法の確立に力を注いでいます。

私たちは、彼から官能評価(特にQDA)に関するレクチャーを長年受けていますが、そのアグレッシブさはまったく衰えることがなく、感服してしまいます。

彼の哲学、論理は、評価者である「ヒト」の変えることができない本質を汲んだものです。彼の経験は、時間や予算が限られた中で行われる商品開発に用いられる官能評価手法としてきっと役立つものでしょう。

官能評価の主要な目的のひとつは、ある製品を購入する大きな消費者集団にとって推定可能な製品情報を提供することです。この種の情報を得るための方法は、数多くあります。QDA法は、その中の分析的手法です。

感度など適格性が確認された約12(±2)名の被験者で小さなパネルを構成します。試験結果は、プロセスや配合原料、競合製品などの違いに由来する差に関して定量的に求まります。そしてこれらは、配合率の変更や消費者の嗜好評価とのズレを結びつけるための基礎を提供します。

多くの食品、飲料会社では、製品の特徴を評価するために、記述分析プロセスが使われていますが、そのプロセスにおいて、いくつかの混乱があるようです。

このあと、何回かに分けて、パネルの選抜方法、評価用語の作成手順、評価・解析などについてまとめていきたいと思います。

スプレー醤油 vs 醤油差し 

先日、朝の情報番組「ZIP!」(日本テレビ)にて、スプレー醤油の紹介がありました。醤油差しから垂らしてかける醤油より、スプレー式であれば少ない量で、万遍なく食品に行きわたるよう。

被験者での実験では、通常の醤油差しから醤油を垂らした焼き魚とスプレー式で醤油をかけた焼き魚を食べ比べたら、スプレー醤油だと通常の醤油差しの3分の1の量ですむことが判明。

そこで、科学的な測定のお手伝いをしたのが、弊社のソフトイオン化質量分析計「FlavorSense」。これは、香気成分の変化をリアルタイムで測定できます。

同じ量の醤油をそれぞれビーカー内にかけてみると、スプレー醤油の香りの立ち上がりの強さがはっきり!

スプレー醤油測定

「香りを強く感じると、味自体を濃く感じる」との東京農業大学 食品香粧学科の佐藤教授のコメントもあり、番組出演者たちも納得。

さて、その話題となったスプレー醤油、早速ネットで購入・・なんて思ったら、すでに品薄状態に。できるだけ量を減らして塩分控えめに、それでいて美味しく!という健康志向は、やっぱり多くの方の関心事のようです。

ただし、スプレー噴霧のとき、周りに飛び散らさないように注意しましょう!

食の味って?

「食の味を感じること、測ること、そして見せること」
前回ブログでお伝えしたとおり、弊社5周年記念セミナーのタイトルです。

「味」と一般に言われる感覚は、舌以外で感じる信号・・・外観やにおい、触感、温度なども大きく関わっています。

たとえば、目をつぶって鼻を塞いで、身近にあるコーヒーと紅茶を飲み比べてみてください。どちらがコーヒーで紅茶なのか、区別はなかなかつきません。

実は最近、弊社ではノーズクリップをノベルティで用意しました。水泳用の鼻栓です。いかに、においが味に影響しているか、面白半分にノーズクリップをつけて色々食べ比べてみると、あらためて嗅覚の重要性を体感します。

ノーズクリップ

たとえば、先日「プリンに醤油をかけたらウニの味」という噂を鼻を摘まんで検証しましたが、やっぱり違いましたね。
また、だし醤油を舐めても、鼻を摘まんだ途端に、あの独特のだし感が感じられません。

ちなみに、キッコーマンさんのホームページでは、しょうゆの持つ「おいしさ」について、「味」「香り」「色」の三位一体から生まれると解説されてます。
http://www.kikkoman.co.jp/trinity.html

5周年記念セミナーにおいて、東北大学 坂井信之先生による講演では、異なる「色」の眼鏡をつけて食することで、同じマグロの味(の感じ方)に違いが出るという実験の紹介もありました。

そんな複雑な「味」を測定し、視覚化する・・・。
単に様々な分析データを組み合わせればいいわけではないですが、ヒトの知覚に最も相関のある要因を探すという意味でも、また科学的に説明するという点でも、ちょっと多面的(揮発・溶解成分、色、硬さ・・・)な分析を一度は行っておくことは必要ですね。

意外な項目が、味に大きく影響している、なんてことがあるかも!

お陰様で5周年!

こんにちは。

アルファ・モス・ジャパンは設立5周年を機に、ブログを開設いたしました。みなさま、これからよろしくお願いいたします。

さて、先日、ifia JAPAN 2014 第19回 国際食品素材/添加物展・会議にて、5周年記念を兼ねた、「食の味を感じること、測ること、そして見せること」と題するセミナーを開催いたしました。

多くのお客様にご参加いただき、この分野の関心度・重要性とともに、難しさを改めて認識いたしました。

今後、このブログを通じて、においや味や色のいろいろ(分析手法や事例、関連技術)について、身近な体験談などを、ゆっくりなペースですが、アップしていきます。

気が向いた時にでも、覗いてください。

アルファ・モス