官能分析でペットの好みを解明!

ペットの家族化が進むに連れ、ペットフード業界では製品の品質向上にますます注力しています。

ペットの飼い主は、自分の子供のように接する動物のための食品選定に厳しくなっており、自分が食べるもの以上に栄養価に敏感であると報告している論文もあります。これは、親がその子供達のための食事を選ぶ関係と似ているようです。親子関係と飼い主とペットの関係の類似点は、それだけではありません。小さい子供たちと同じように、ペットも言葉で自分を表現することはあまり得意ではありません。

そこで、官能分析が行われます。
Acceptation testやPreference testを利用して、官能分析ではペットの期待を理解することを可能にします。動物の味覚と嗅覚は非常に鋭く、それらの好みは私たち人とはかなり異なります。

たとえば、猫は甘い味が好きではありませんが、脂肪とうま味が大好きです。犬は腐敗の匂いが大好きですが、飼い主がこの種の臭いを発する製品を好まないことは明らかです。ペットフードに関する官能分析をペットだけでなく、飼い主にも適用することにより、お互いの好みのバランスを見つけることも可能となります。
(弊社パートナーSensoStat社から引用)

▼官能分析システムによる:
ペットフードのベンチマーキング
ペットフードの異臭の定量と品質管理

においライブラリ

味には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味で表現される基本味があり、それらに由来する代表的な化合物の知見も多いですが、におい関しては、種類は多すぎて(40万種類とも言われています)、決まった言葉がありません。QDAにおける用語開発でも、においは形容詞で記述されることが多く、その解釈をつけるのに難しいことがよくあります。

清酒やビール、紅茶、コーヒーなど、特定の業界によっては、フレーバーホイールと呼ばれる用語リストが開発されていて、商品の風味(味や香り)の特徴を記述するときの基本として利用できます。これは、業界内の風味に関するコミュニケーションにおいて大変便利です。

Wine-Aroma-Wheel-Master-Sommelier_s
(出典元:http://www.aromaster.com/)

それでも汎用的なものは、なかなかありません。しかし、香気分析に関する学術論文を探っていくと、においに関する表現があちこちに目につきます。におい嗅ぎGGで分離された化合物に対するにおいの質も報告されています。ただ、問題はリソースがあちこちに点在していることです。

こうした文献情報を整理してデータベースにしたものが、アルファ・モスから発売されています。AroChemBaseは、保持指標に関する化合物ライブラリ(83500成分収録)であり、そのうち約2000成分のにおい質(芳香からオフフレーバーまで)や嗅覚閾値データが、10000 を超える豊富な文献から集められてひとつになっています。

収録されている情報量だけでなく、検索もいろいろな角度から行えます。感じたにおいの種類(甘い香り、カビ臭・・・)、推定される化合物(アルデヒド、硫黄系・・・)、またはサンプル名(コーヒー、レモン・・・)から・・・。まさに、においライブラリと言える機能を網羅しています。

arochembase_c

GC-O分析で、嗅ぎ分けた化合物のにおいをどのように表現したらよいのか困る時、GC-MSで同定された化合物が、いったいどのようなにおいなのか調べたい時、定量された成分濃度が、においを感じる量であるか確認したい時、AroChemBaseライブラリの使い道はたくさんありそうです。

食の味って?

「食の味を感じること、測ること、そして見せること」
前回ブログでお伝えしたとおり、弊社5周年記念セミナーのタイトルです。

「味」と一般に言われる感覚は、舌以外で感じる信号・・・外観やにおい、触感、温度なども大きく関わっています。

たとえば、目をつぶって鼻を塞いで、身近にあるコーヒーと紅茶を飲み比べてみてください。どちらがコーヒーで紅茶なのか、区別はなかなかつきません。

実は最近、弊社ではノーズクリップをノベルティで用意しました。水泳用の鼻栓です。いかに、においが味に影響しているか、面白半分にノーズクリップをつけて色々食べ比べてみると、あらためて嗅覚の重要性を体感します。

ノーズクリップ

たとえば、先日「プリンに醤油をかけたらウニの味」という噂を鼻を摘まんで検証しましたが、やっぱり違いましたね。
また、だし醤油を舐めても、鼻を摘まんだ途端に、あの独特のだし感が感じられません。

ちなみに、キッコーマンさんのホームページでは、しょうゆの持つ「おいしさ」について、「味」「香り」「色」の三位一体から生まれると解説されてます。
http://www.kikkoman.co.jp/trinity.html

5周年記念セミナーにおいて、東北大学 坂井信之先生による講演では、異なる「色」の眼鏡をつけて食することで、同じマグロの味(の感じ方)に違いが出るという実験の紹介もありました。

そんな複雑な「味」を測定し、視覚化する・・・。
単に様々な分析データを組み合わせればいいわけではないですが、ヒトの知覚に最も相関のある要因を探すという意味でも、また科学的に説明するという点でも、ちょっと多面的(揮発・溶解成分、色、硬さ・・・)な分析を一度は行っておくことは必要ですね。

意外な項目が、味に大きく影響している、なんてことがあるかも!